CEA
癌胎児性抗原
癌胎児性抗原(CEA:Carcinoembryonic Antigen)は、1965年にGold P.とFreedman S.O.によってヒト大腸癌組織抽出液から見出された50~70%の糖を含んだ分子量約18~20万の酸性糖たん白質です1)。
たん白質成分は約700個のアミノ酸よりなる1本鎖のポリペプチドで、6個の-S-S-結合を有していることがわかっています。しかし、糖鎖の構造は十分に解明されていません2)。
血清中CEAが高値を示す疾患症例は、大腸癌、膵癌、胃癌などの消化器癌に多く、肺癌や子宮癌、卵巣癌、胎児性癌などでも若干の陽性例が報告されています。良性疾患での陽性率は低く、多くの悪性疾患の診断や治療効果の判定、及び経過観察に有効な臨床検査法として、CEAの測定は広く利用されています。
1) Gold P.,Freedman S.O.,J.Exp.Med.,121,439-462(1965)
2) Yamashita K. et al.,Cancer Res.,47,3451-3459(1987)
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